コンビニ情報資料館

コンビニエンスストアにおける経営と労働


土屋直樹
(武蔵大学教授)
コンビニエンスストア(CVS)は, 日本人の日常生活に不可欠な存在となっている。そのCVSの経営は, ほとんどがフランチャイズチェーンの加盟者によって担われている。本稿は, CVSで働く加盟者とその親族,従業員の就労実態,労働条件について,加盟者とチェーン本部の契約がそれらにどう関係しているか,という観点から考察したものである。加盟者は相当な長時間就労を行っているが,それに比べて収入は高いとは言えない。従業員の大半はパート·アルバイトであり,その時給は最低賃金水準で,他職種の賃金よりも明らかに低い。CVSの経営は、人件費を極力切り詰めなければ成り立たない場合が多いからである。その状況に関係しているのが,加盟者と本部のフランチャイズ契約である。具体的には, ロイヤルティの料率が高いこと,人件費等の負担に見合わない新規サービスの導入が自動的または一方的に行われる場合があること,人件費等の負担に見合わない場合が多い深夜時間帯にも営業しなければならないこと,廃棄品の費用負担が重いが,その削減も難しいことなどのために,加盟者は人件費を強く抑制しなければならないのである。現在, CVSの多くが深刻な「人手不足」の問題に直面している。その問題の解決には従業員の待遇の改善が必要だが,以上のことからそれは困難である場合が多い。今後のCVSの健全な発展のためには,加盟者と本部の関係の見直しが求められる。

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