公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課
パブリックコメント担当 御中
「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」の
改正(案)に対する意見
[氏名] コンビニ加盟店ユニオン
執行委員長代行 佐藤桂次
[住所] 岡山市東区西大寺中3丁目5-5
[意見1]
・該当箇所
2 本部の加盟者募集について
⑧(注3) 加盟者募集に際して、加盟希望者の開業後のドミナント出店に関して、配慮を行う旨を提示す る場合には、配慮の内容を具体的に明らかにした上で取決めに至るよう、対応には十分留意する必要がある。
・意見内容
ドミナント出店に関しては、加盟者募集に際してのみならず加盟後の加盟者に対しても配慮の内容を具体的に明らかにした上で改めて取り決めを行うことを促すようガイドラインでお示しいただきたい。
・理由
ドミナント出店に関しては、令和2年9月に公正取引委員会から公表された実態調査にもある通り、既存加盟店者にこそ影響があり、不満の声もあること。また、フランチャイズ加盟店間の公平性の観点からも募集時に必要とされることが加盟後にも適用されることは当然のことと考えます。
[意見2]
・該当箇所
2 本部の加盟者募集について
⑧イ(注4)加盟希望者が出店を予定している店舗における売上等を予測するものではないという点で厳密な意味での予想売り上げまたは予想収益ではなく、既存店舗の収益の平均値等から作成したモデル収益や収益シミュレーション等を提示する場合はこうしたモデル収益等であることがわかるように明示するなどした上で、厳密な意味での予想売り上げ等ではないことが加盟希望者に十分に理解されるよう対応する必要がある。
・意見内容
損益シミュレーションでは、オーナーと履行補助者がそれぞれ週40時間勤務した場合の損益を示すことなど指標をお示しいただきたい。
・理由
加盟店の損益は最大経費である人件費の掛かり方により大きな差が出るので、令和2年9月に公正取引委員会から公表された実態調査からも分かる通り、多くのオーナーには過酷な勤務k実態があるので、加盟希望者に既存店舗の収益の平均値を示す事は、実際よりも多く利益が出ることを示すことと同等の意味となり得ます。
[意見3]
・該当箇所
3 フランチャイズ契約締結後の本部と加盟者との取引について
⑴(注8)見切り販売を行うには、煩雑な手続きを必要とすることによって加盟者が見切り販売を断念せざるを得なくなることのないよう、本部は、柔軟な売価変更が可能な仕組みを構築するとともに、加盟者が実際に見切り販売を行うことができるよう、見切り販売を行うための手続きを加盟者に十分説明することが望ましい。
・意見内容
本部は、柔軟な売価変更が可能な商習慣に照らして合理的で簡素化された仕組みを構築するよう促していただきたい。
・理由
セブン-イレブンを例に取れば、現在レジに値下げボタンが設置されてはいますが、売価変更の処理は一品一品ストアコンピュータに登録せねばなりません。これはスーパーマーケットなどでは日を置いて値下げを行い、値下げ頻度が少ない衣料品や日用品だからできる煩雑な手続きを必要とする方法で、生鮮食品など閉店時間までに段階的に値下げをして、その日のうちに売り切らなければならない場合に用いられる方法ではありません。コンビニエンスストアの弁当やおにぎりは1日に3回納品があり1日に3回以上の販売期限があるのでスーパーなどの生鮮食品のように見切り販売を行うことが合理的であると考えられます。セブン-イレブンでは「まとめ売り販促」といってビールの6缶パックを値引きして値引額を売価変更報告書に自動計上する仕組みが既にあり、見切り販売でも同様に処理することはシステム的に可能であると考えられます。
[意見4]
・該当箇所
3 フランチャイズ契約締結後の本部と加盟社との取引について
(1)(仕入れ数量の強制)
○本部が加盟者に対して、加盟者の販売する商品または使用する原材料について、返品が認められないにもかかわらず、実際の販売に必要な範囲を超えて、本部が仕入れ数量を指示しまたは加盟者の意思に反して加盟者に成り代わって加盟者名で仕入発注を行い、当該数量を仕入れることを余儀なくさせること。
・意見
本部社員が加盟者の仕入れ発注の意思決定時に介入をしないこと、本部社員が発注数量を書面などで示すときは提案数量や参考数量等とするよう促していただきたい。
・理由
本部社員による無断発注が問題になると次には仮発注、それがまた問題になると発注端末に注目マークや増量マークを表示させるなど本部の指示通りに発注させたいという体質は未だ変わっていません。また打ち合わせ数量だと言って渡される書面は強制的な圧力を感じさせるものとなります。
[意見5]
・該当箇所
3 フランチャイズ契約締結後の本部と加盟者との取引について
⑴(営業時間の短縮に係る協議拒絶)
○本部が、加盟者に対し、契約期間中であっても両者で合意すれば契約時等に定めた営業時間の短縮が認められるとしているにもかかわらず、24時間営業等が損益の悪化を招いていることを理由として営業時間の短縮を希望する加盟者に対し、正当な理由なく協議を一方的に拒絶し、協議しないまま、従前の営業時間を受け入れせること。
・意見内容
人手不足についても営業時間の短縮を希望する理由として明記していただきたい。
・理由
令和2年9月公表の公正取引委員会の実態調査によれば深夜帯は赤字であると回答した加盟店よりもむしろ人不足を感じていると回答した加盟店の方が割合として多いことから、営業時間の短縮の理由として人手不足が理由として明記されるべきであると考えます。